あらすじ
彼女はミンティアを買いにキックボードでローソンへ来店するが、目当てのミンティアは無く代わりにブラックサンダーを購入して去る。
残された店員はトイレのドアから声を聞く。それはここにいるはずのないムーンサルト中森のものだった。
一方、河原に突如出現した大学時代のゼミ教授・米肉林は味噌ラーメンを啜りながら妥協(「悪くない」と思うこと)の危険性を僕(主人公)に語る。追い打ちをかけるように、転職エージェントのムーンサルト中森が警官の姿で現れる。
本編
※今回の文章はAI無しです
「中森さん…なぜ…」
僕は問いかける。
・なぜ、警官の服装なのか。
・なぜ、米肉林教授がここにいるのか。
どちらから聞くべきか決めあぐねていると、彼は右手だけ前に突き出し、両手の人差し指を立てたポーズになり、無言でこちらを見つめてくる。

・なぜ、恋ダンスのポーズなのか。
数十秒の膠着状態の後、彼は「いい夢見ろよ」と言い残し、空気に溶けるように消えていった。

・なぜ、「いい夢見ろよ」なのか。
・なぜ、まともな言動をする人間がいないのか。
疑問は減らず、増える一方だ。
味噌ラーメンをほおばる米肉林が僕の肩を叩く。
「追いかけた方がいい。中森は彼女を追いかけてローソンに行ったはずだ。」
チャーシューの欠片を発射しながらそう言い聞かせてくる。
淀みのない言い方に戸惑いながらも、肩に添えられた手を払う。
「今さら教授面しないでくださいよ。あのラーメン臭い教授室であなたが教えてくれたのは『キムタクは船舶免許を持っている』ことだけ。あとは放任、というか放置で卒論執筆まで各自でやらせた。そもそもなんであの教授室はあんなにコメダ珈琲の豆菓子がいっぱいあるんだ。」
そのまま汚い本音が飛び出す。
「あんたは過去の俺の停滞の象徴なんだよ」
ゼミを選んだのは僕であり、またその後の就活苦戦などの『停滞』も全面的に彼のせいであるといえる道理はないはずだが、勢いで言ってしまった。
米肉林はその言葉を咀嚼するように麺を啜った後、「味噌ラーメンの臭いをこれ以上嗅ぎたくないなら、」と口を開いた。
「追いかけなさい。」
–ローソン–
「コンビニの夜勤ほど楽なアルバイトは無い。」
どこに行くときもスポーツウェアを着てくることで知られる俺の友人はそう言っていたが、ここにそいつを連れてきてやりたい。
ついさっき、キックボードで来店する頭のおかしな女が理性的な話し方で支離滅裂なことをまくしたててきたかと思ったらこれだ。
鍵のかかったトイレのドアからは、「いい夢見ろよ」とどこかで聞いたことのあるフレーズがリフレインされている。
トイレに入った人間の顔は覚えてる。いつも味噌ラーメンを買いに来る中年の常連客だ。おおかた酔っぱらっているのだろう。
面倒くせぇな、と思いながらもトイレに大声で呼びかける。
「どうかされましたかぁ?」
すると中年にしては若い声が返ってきた。
「か、カヌレってそういえば食べたことないなぁ」
「はぁ…」
会話があまり成立しないことは特に驚かなかった。むしろする方が驚く。
しばらくした後、店内に乾いた音が小さく響いた。
鍵の開錠音ではない。紙がドアの横、壁との隙間を通る音だった。
差し込まれた紙を手に取り、確認する。
「これ…住民税の払い込み用紙?払い込み期限が2週間過ぎてますよ。うちでは払えません。てか自分で払ってるの?会社は?」
「カヌレ税…?」
ローソンの入り口の自動ドアが開いた。客が来店してきたのだ。
「いいから早く出てきて、帰ってくださいよ。いらっしゃいませぇ!!」
客は、推定アラサーの男だ。走ってきたのか、息が切れている。
この人はまともでありますように。
「あれ…いない?」
彼は辺りを見渡した後、俺を見て苦虫を嚙み潰したような顔をしたのち、不承不承といった感じで話しかけてきた。
「キックボードに乗った女性がミンティアを買いに来ませんでしたか?」
ミンティアではなくブラックサンダーを買っていたが、キックボードで来店する人間が2人以上いるとは考えられないので、おそらくあの女の知人だろう。
先ほど出ていったと伝えようとしたところで、トイレのドアが開く。
「中森さん!!!」と女の知人が叫ぶ。
中森と呼ばれた男が盗塁のような動きでトイレから出てくる。
トイレに入ったのは中年の常連客だった気がしたが、出てきたのは昔流行ったドラマのエンディングのようなポーズをとる30代中盤とみられる男だった。
男は言った。
「…カヌレは?」
ずっと何書いてんだ俺。次回、最終回!!!!!!!

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